リファレンスチェックに違法性はあるか

企業での採用前にリファレンスチェックを行うケースも増えており、採用担当者はある疑問を抱くことも多いはずです。
それは「リファレンスチェックに違法性はあるか」という点です。
今回はリファレンスチェックが違法性とされるケース、違法にならないためにはどのような対策をするべきかを解説します。

リファレンスチェックに違法性はあるか

企業での採用前にリファレンスチェックを行うケースも増えており、採用担当者はある疑問を抱くことも多いはずです。
それは「リファレンスチェックに違法性はあるか」という点です。
今回はリファレンスチェックが違法性とされるケース、違法にならないためにはどのような対策をするべきかを解説します。

リファレンスチェックに同意は必要か

リファレンスチェックは採用候補者の経歴や実績、人間関係などを採用前に調査することです。
企業と採用候補者とのミスマッチを防ぐために重要な方策ですが、注意しなければ違法になる可能性もあります。
リファレンスチェックは個人情報を収集する行為ですから、本人の同意を得なければ行うことはできません。
勝手にリファレンスチェックを行うと違法となる可能性があります。
また、本人に拒否された場合も、同様に行うことはできませんから注意が必要です。

リファレンスチェックが違法になる3つのケース

リファレンスチェックが違法になるケースはどのようなものでしょうか。
下記の3つのケースには注意してください。

  • リファレンスチェックを勝手に行う
  • 入手した個人情報を第三者に漏洩する
  • リファレンスチェックによる内定取り消し

リファレンスチェックを勝手に行う

まず、採用候補者のリファレンスチェックを本人の同意なく行うと違法になる可能性が高いです。
リファレンスチェックは企業に対して行うことはもちろん、SNSなどのツールを利用した調査も違法となりやすいです。
違法にならないように、本人からの同意は必ず得たうえでリファレンスチェックを実施してください。

入手した個人情報を第三者に漏洩する

リファレンスチェックで得る情報は個人情報にあたります。
個人情報を本人の同意なしに第三者に提供または漏洩すると、個人情報保護法により違法とされる可能性があります。

  • 個人情報保護法第23条1項(第三者提供の制限):個人情報取扱業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。

この条項は、リファレンスチェックを行う企業はもちろん、採用候補者の前職である企業にも当てはまります。
採用候補者の同意なしに個人情報のやりとりを行うと違法性が高いため、取り扱いには最新の注意を払ってください。

リファレンスチェックによる内定取り消し

次に内定後に、リファレンスチェックの結果を基にして取り消しすると違法とされます。
過去の判例によると、内定を出した時点で雇用契約が成立したものと判断されます。
内定後にリファレンスチェックを実施し、その結果で内定取り消しを行うと労働契約法の定めにより取り消しは無効です。
ただし、採用候補者の内定取り消しが妥当と判断される理由があれば、取り消しが認められる可能性もあります。
リファレンスチェックを行う場合には、内定前に行うほうがリスクは低いです。
採用担当者はリファレンスチェックのタイミングを見極めて実施してください。

リファレンスチェックを違法にしないためには

リファレンスチェックを適法に行うためには、リファレンスチェックサービスを利用する方法もおすすめです。
リファレンスチェックサービスは、採用担当者が自らヒアリングするのではなく、Webサービスでリファレンスチェックを行っている専門企業によるものです。
質問事項や推薦者についての項目を設定すれば、リファレンスチェックサービスがその後の手続きを行ってくれます。
リファレンスチェックサービスは下記のメリットがあります。

  • 採用担当者の手間が少ない
  • 推薦者のなりすましを防止できる
  • 候補者・推薦者ともに同意を得やすい

採用担当者が採用候補者すべてに対して、リファレンスチェックを行うとすれば、かなりの時間と労力が必要です。
また、推薦者のなりすましがあっても、その背後関係をチェックすることにも相当の時間を要します。
候補者・推薦者双方からの同意も得なければ、違法性を帯びるリスクがあります。
この点を解決してくれるのがリファレンスチェックサービスです。
採用担当者にとっては手間が省けるだけでなく、独力では限界のあるなりすまし防止や同意の取得まで対応し、適法にリファレンスチェックを行えます。
専門企業に依頼することから、費用が発生する点への理解は必要ですが、利用すれば効率的にリファレンスチェックを行えることでしょう。
料金はサービス提供の企業にもよりますが、月額固定なら1~2万円、従量課金制では1人あたり2~3万円としていることが多いです。
適法にリファレンスチェックを行うなら、リファレンスチェックサービスの利用がおすすめです。

まとめ:リファレンスチェックは法律を意識すること

採用候補者へのリファレンスチェックは企業側にも注意すべき点があり、場合によっては違法性を帯びることがわかります。
リファレンスチェックを行う際は、個人情報の取り扱いと労働契約法を遵守し、適法に対策を実施してください。
企業の負担を減らし、法的にも確実性を期すならリファレンスチェックサービスの利用も検討しましょう。
各社に合ったリファレンスチェックの方法を選択することが大事です。

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